その「歩くこと」を支える大切な要素の一つが、アキレス腱の機能です。アキレス腱は、ふくらはぎの筋肉と踵(かかと)をつなぐ強力な腱組織で、歩く、走る、跳ぶといった動作に欠かせない役割を果たしています。つまり効率的に歩くためにはアキレス腱が正常に機能することが必要不可欠で、対して足のトラブルの多くはアキレス腱の機能低下から始まります。
現代の生活では運動不足や長時間のデスクワークが原因で、アキレス腱が硬くなりがちです。そしてその結果、段差のない場所でつまずいたり、すぐに足の疲れや違和感・痛みなどを生じてしまうのです。そこで解決策としての最適なセルフケアが、アキレス腱ストレッチです。このストレッチを日々の習慣に取り入れることで、アキレス腱の柔軟性を高め、歩行をスムーズにすることができます。
1. アキレス腱の構造と機能
アキレス腱は腓腹筋とヒラメ筋からなる人体で最も強靭な腱で、足首の背屈運動(つま先をもちあげる動き)・底屈運動(足首を下げる動き)と密接な関わりがあります。アキレス腱が硬いと背屈運動を阻害するため、すぐにつまずいたり、足のトラブルを引き起こしやすくなります。一方で強い底屈運動は歩行の蹴り出しを可能にし、姿勢保持にも関与します。ただし筋力の柔軟性と剛性のバランスが不均衡だと、運動機能が悪くなり、姿勢の悪化なども引き起こします。
アキレス腱の機能は運動力学的視点から見ても、歩行の効率性・安定性・推進力の要となる組織です。適切な柔軟性と剛性を保ち、足の機能を維持することで快適な歩行を実現しましょう。
2. アキレス腱が硬くなる人の特徴
3. アキレス腱の硬さの確認の方法
1) 膝を伸ばして写真のように足底を壁につけましょう。手は後ろについても構いません
2) 足首を上に反り返して足底が壁から離れるか確認します
※つま先だけが離れるのは足首が硬いサイン
※膝をしっかりと伸ばした状態でチェックしましょう
正しい状態
つま先だけはNG
膝は曲げない
3) 立ったまま前屈して、床に向かって手を伸ばします
写真のようにお尻が後ろに引ける場合は足首が硬いです
正しい姿勢
足首が硬い
これらの方法で問題ない方でも、ふくらはぎが疲れやすい、よく攣るといった症状の方もアキレス腱が硬いことが多いです
4. ストレッチの方法
アキレス腱ストレッチ
- 脚を前後に広げましょう
- 壁やテーブルを支えにして、前脚の膝を軽く曲げ、後ろ脚の膝を伸ばします
- 後ろ脚のふくらはぎが気持ちよく伸びた状態で、自然に呼吸しながら60秒キープしましょう
- その後に左右の脚を入れ替えて同様にストレッチします
これを3セット行います。
※注意点
- ◎伸ばす側の足は壁に対して垂直
- ◎かかとは床につける
つま先は壁に対して垂直
かかとは床につける
足を外へ逃がすのはNG
ストレッチボードの使いかた
- ストレッチボードを壁際に置きましょう
- ストレッチボードの上にまっすぐ乗ります ※この時に踵がボードの後ろに収まるようにしましょう
- ふくらはぎが気持ちよく伸びる程度で60秒間キープしましょう
これを3セット行います。
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