足の相談室

伸びない爪(レトロ二キア)

さん

20代 女性
私は元々扁平足で足底筋膜炎で通院していたことがあったり、巻き爪・陥入爪気味だったりと足のトラブルを抱えています。数ヶ月前から、足の親指の爪「生え際」が痛み始めました。巻き爪専門クリニックを受診したところ、「甘皮が全くない」と言われ、さらに2つの可能性を提示されました。
①巻き爪がひどく、爪が肉に食い込んでいるせいで正常に爪が伸びず、根本に爪が溜まり(?)が痛くなっている。
②歩き方や合わない靴などの外部刺激で爪が死に、伸びなくなっている。
今の所はっきりとした原因がわからず巻き爪矯正の施術を受けながら様子を見ていましたが、数日前から痛みがひどくなってきました。心なしか根本の皮膚の色もおかしい気がします。爪が剥がれているような様子はありません。巻き爪矯正をしてもほとんど爪が伸びないことから、何か他に原因があるかもしれないと思い投稿しました。歩くだけでも痛く、大変困っております。現時点で分かっていることは甘皮がないことと爪の成長が止まっているということだけです。添付の画像親指上部で少し光っているものは巻き爪の矯正器具ですのでお気になさらず。ぜひご回答よろしくお願いいたします。
院長

桑原 靖

お写真を拝見した限りでは、皮膚の病変が周囲から波及しているというよりも、爪の生え際(爪母)そのものに炎症が起きているように見受けられます。このような症状で最も考えられるのは、「レトロニ二キア(Retronychia)」という状態です。
レトロニキアとは、新しい爪が本来の爪の下から生えてきているにもかかわらず、その爪が残ったままで動かず、新しい爪が前に伸びられないことで、爪母部に滞留してしまうトラブルです。その結果、爪母に圧迫や炎症が生じ、痛み・腫れ・皮膚の変色などの症状が現れます。
この状態は薬では改善が難しく、根本的な治療としては局所麻酔下での「爪甲除去」(古い爪の一部を取り除く 3分程度の処置)が必要になります。
障害となっている部分の爪を取り除くことで、新しい爪がスムーズに伸び始め、炎症も徐々に改善していきます。
ただし、もともと足のトラブルが多く、今回の件も含め足の構造や歩き方に問題がある場合は、再発のリスクもあります。再発を防ぐためには、足の骨格や歩行の癖、靴のフィット感などを評価し、必要に応じて足底板(インソール)の作成や歩行指導など、適切なサポートを行うことが大切です。

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