ご記載の症状からは、まず踵の痛みとして一般的な足底腱膜炎は鑑別に挙がります。
一方で、裸足で特に痛く、靴を履くと軽減するという経過からは、
「踵のクッション(脂肪組織)の減少」
および
「アキレス腱〜足関節の柔軟性バランス異常」
が関与している可能性も高いと考えます。
一般に、アキレス腱や下腿後面の支持性が弱い/柔らかすぎる場合、
踏み返し動作の時間が極端に短いため、歩行中に踵へ荷重がかかる時間が長くなり、結果として踵への負荷が増加します。
本来であれば踵の脂肪組織がクッションとなりますが、
この組織は加齢とともに薄くなるため、60代以降では「骨が当たる感じ」として自覚されることがあります。
対策としては以下が有効です。
・テーピングで踵荷重時間を短縮する
・インソールで土踏まず側へ荷重分散する
・室内でもクッション性のあるスリッパを使用する
・踏み返し動作がしやすい靴へ変更する
なお、実際に足関節が硬いか柔らかいかと、歩行中にどう荷重しているかは別問題です。
診察してみると「柔らかいと言われていたが、歩行では踏み返し動作の時間が短い」というケースは少なくありません。
一度直接拝見できれば、原因の切り分けは可能です。
ちなみに、今回とは逆で
脂肪が少なく、かつアキレス腱が硬いタイプの方は、踵ではなく指の付け根が痛くなりやすい傾向があります。
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2年ほど前に右足裏の土踏まずの下辺りが痛くなり、整形受診した所、触診のみで足底筋膜炎と診断されました。
2.3ヶ月痛み取れない為に、別の超音波の検査ができる所を受診した所、足底筋膜炎はないので、インソールをつくったらどうかと紹介され、外用と家用と作成しました。1日の歩数は4000から5000で特にスポーツはしていません。150センチ45kg、靴は22センチです。
2ヶ月前までは調子が良かったのですが、ここの所土踏まずの辺りから、かかとにかけてズキンと痛む時があります。
右側だけなのです。インソールがない時は特に痛く感じます。右側のふくらはぎの血流が悪く、冷房にあたると痺れるので、それと関連しているのでしょうか?
栃木県在住なので頑張って受診しようかと悩んでいます。
そちらは下肢静脈瘤の検査をうけましたが、なっていないので神経痛ではないか?と診断されました。
痛くて歩けないのと、逆に歩き足りないのか不安な日々を送っています。
ご相談内容を拝見しました。
まず、現在の症状は典型的な足底筋膜炎とは少し異なる印象を受けます。
土踏まずからかかとにかけての痛みが続いていること、超音波検査で足底筋膜炎ではないと言われていること、さらにインソールを使用すると症状が軽減することから、足底の神経(内側足底神経やBaxter神経)が圧迫されることによる神経痛や、足底筋膜の付着部に慢性的な負荷がかかっている状態などを考えます。
一方で、右ふくらはぎの血流が悪いことや冷えとの関連については、直接の原因である可能性は高くないと思います。静脈のトラブルで土踏まずからかかとだけに痛みが出ることはあまり多くありません。
また、インソールを装着していると症状が軽くなるという点は、とても重要な情報です。これは足に体重がかかった際の負担が軽減されることで痛みが和らいでいることを意味しており、神経や足底筋膜、踵の骨周囲などに加わるストレスが症状に関与している可能性が考えられます。
診断を進めるためには、実際に痛みの部位を詳しく確認し、神経の圧痛や足底筋膜の状態、足のアーチ、歩き方などを評価することが大切です。必要に応じてMRIを行うことで、疲労骨折や骨の異常、神経周囲の病変などを除外できる場合もあります。
現在の情報だけでは原因を一つに断定することはできませんが、「足底筋膜炎」と決めつけるのではなく、神経痛や踵周囲の慢性的な障害も含めて診断を進めていくことが重要だと思います。インソールで症状が改善するという事実は、原因を考えるうえで非常に大きなヒントになると思います。
早々にご返信いただき、ご丁寧に説明して頂きありがとうございました。
地方ですので近くの整形外科受診を考えてみます。その際、脚の専門の先生のいるところがいいかと思いますので少し探してみたいと思います。
ありがとうございました。