お問い合わせいただきありがとうございます。
お写真を拝見いたしました。
現時点では、左母趾のみの所見であること、甘皮(爪上皮)が消失し、爪が奥へ埋入しているように見えること、白く透けて見える部分があること、慢性的な炎症所見を伴っていることから、Retronychia(レトロニキア:重複爪の初期段階を含む)が最も疑わしい印象です。
ただし、そもそもレトロニキアには「これがあれば確定」という明確な診断基準が存在せず、複数の臨床所見を総合的に判断して診断します。そのため、写真のみで100%断定することはできません。
なお、レントゲン検査ではレトロニキア自体の診断はつきません。MRIでも炎症の有無は評価できますが、「レトロニキアかどうか」を確定することは困難です。診断は基本的に診察所見が中心となります。
以下、ご質問への回答です。
① レントゲン検査の必要性について
今回、爪そのものというより「なぜ起こったか」の評価目的で、足のレントゲン検査は有用と思われます。お写真では、親指(母趾)がやや短く見え、中足骨が短いモートン足(母趾短趾症)の可能性があります。
もしその影響で、歩行時の踏み返し動作が本来の母趾付け根(MP関節)ではなく、母趾先端側に集中している場合、慢性的な外力によりレトロニキアを繰り返す可能性があります。その場合、爪だけ治療しても根本原因が残るため、再発予防としては、足に合った靴の選択やインソールによる荷重コントロールが重要になります。
もっとも、これらは今回の治療と同時に必須というわけではなく、まず手術を行い、もし再発した際に原因検索を進めるという考え方でも問題ありません。
② 手術について
初診当日に手術を行うことも可能です。もし手術をご希望の場合は、金曜日の庄司医師外来での診察予約をご案内しております。
手術としては、異常な古い爪(根本の部分のみ)を除去し、正常な爪の生え変わりサイクルに戻すことを目的とします。ただし、術後の経過には個人差が大きく、同じ症状・同じ治療であっても、全員が同じ経過をたどるわけではありません。
③ 診断について
お察しの通りかもしれませんが、画像検査のみで「確定診断」に至る可能性は高くないと考えます。最終的には診察所見を踏まえた総合判断となります。
一方で、このまま自然に正常な爪サイクルへ戻る可能性もゼロではありません。ただ、慢性的な炎症や、ときどき感染を繰り返しているのであれば、早い段階で手術を選択肢として考えても良い状態と思われます。
術後は、2〜3か月ごとの経過観察と爪のメンテナンスを行いながら、最終的には約1年かけて正常な爪へ生え変わることを目標にします。
以上、ご検討ください。

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